フィンランドの人口密度とヨイクという歌

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急に変な話をします。笑
私はどちらかというと一人でいるのも好きで、フィンランド人の「近すぎず遠すぎず踏み込まず」な距離感が大好きです。
一方で「積極的に踏み込む事で豊かになる」自分の価値観を、実感する出来事が多いのも事実。
この一連の葛藤を振り返りながら、急にラップランドのヨイクを思い出しました。

フィンランドの「静けさ」の理由

フィンランドの国土は、日本から九州を取った位。
人口密度は、一平方キロメートルに日本は340人住んでいるのに対し、フィンランドは17人!
フィンランドに感じる魅力に「静けさ」がありますが、人口密度を見ると理由にも納得です。

今でもフィンランドの地方に行くと隣の家まで数キロ先・・なんてことも日常的な風景。
ほとんどの家庭が所有するサマーコテージは、必ず隣のコテージと適度な距離を取って建てるそう。夏休みは、森と湖に囲まれてゆったりと過ごす・・なんて素敵なんでしょう!

一度友人のサマーコテージにお邪魔した事があります。そこには電気や水は通っておらず、自分でウォーターサーバーやコンロを持ち込んでいました。また、サマーコテージにはお決まりの「サウナ」も併設されていることがほとんど!友人達もお酒を飲みながら楽しんでいました。(身体は大丈夫なのか心配になりました笑)

自然と対話する「ヨイク」

話が逸れてしまいましたが・・
北欧の中でも特に北に位置するラップランドという地域では「ヨイク」という、日本の民謡に似た歌が存在しています。
ヨイクは、人に対してではなく「木」や「オオカミ」に対して贈る歌などもあり、人との交流が困難な地域で本気で自然と対話しようとした結果に生まれたものだったりするそうな。実際に、オオカミの鳴き声を取り入れた歌などもあります。

有名なフィンランドのヨイクのアーティストはUlla Pirttijarvi(ウッラ・ピルッティヤルヴィ)。

▼アカペラだと、こんな感じです。(※ウッラではありません)

▼探している途中で、とても好みの癒し系サーミ歌手を見つけました。

人と話すこと、接することが困難だった北欧のサーミの人達。
寂しくて堪らなくて、ヨイクを歌い「自然」と対話したという話を聞いた事があります。
美しいオーロラも昔は「恐ろしい」ものだったそう。確かに、夜空が真っ赤に染まり上がるなんて怖いかもしれませんね。

そんな時代、自然と人との対話から生まれたヨイクが持つ力強さと静けさの強弱には、サーミの人々の様々な感情を感じることが出来ます。

chika
About chika
フィンランドが好き過ぎて12年以上通い続け、ディープな楽しみ方を味わいつくした自他ともに認めるフィンランドオタク。移住のために会社員生活のかたわら寿司職人の修行を始め、ついに2022年春に移住。モットーは「とりあえずやってみる」。好きなものは水辺、ねこ、酒、1人旅。